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女性に多いダイエットによる便秘

女性に多いダイエットによる便秘

便秘に悩む女性は非常に多いです。実際、働く女性の半数以上が便秘を自覚しているというアンケート結果もあるほどです。

 

便秘には、「ぜん動不全型」「直腸・肛門型」「ストレス型」と呼ばれる3つのタイプがあることが知られています。

 

ぜん動不全型
・ 弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)とも呼ばれます。
・ 運動不足などが原因で、腸のぜん動運動(食べた物を肛門のほうへと移動させる収縮運動)が弱くなっています。

 

直腸・肛門型
・ 直腸性便秘とも呼ばれます。
・ 日常的に便意を我慢することが原因で、肛門の筋肉が正常に働かなくなっています。

 

ストレス型
・ けいれん性便秘とも呼ばれます。
・ 不規則な生活習慣が原因で自律神経のバランスが崩れ、ぜん動運動が正常に機能しにくくなっています。

 

一方、これらの型に当てはまらない便秘もあります。それが今回ご紹介する「ダイエットによる便秘」です。

 

実はダイエットをすると便秘になりやすいことが知られています。そこで、今回は「ダイエットをするとなぜ便秘になるのか」や、「便秘にならないためには何を食べればよいか」について解説していきます。

 

食事の量が少ないと便秘になる理由

ダイエットと言ってもいろいろな方法がありますが、最も便秘になりやすいのが「食べないダイエット」です。

 

では、食べる量が少ないとなぜ便秘になりやすいのでしょうか? これを理解するためには、ぜん動運動が活発化する仕組みを学ぶ必要があります。

 

ぜん動運動は、副交感神経、腹筋、腸の内容物(食べたもの)など、さまざまなものから影響を受けます。

 

※ 副交感神経とは、体がリラックスしているときに働く神経のことで、ぜん動運動を促進する働きがあります。

 

最も影響力があるのは副交感神経ですが、腹筋や腸の内容物なども重要です。なぜなら、腹筋はぜん動運動を促す腹圧(ふくあつ)という圧力に関係がありますし、腸の内容物は腸壁を刺激してぜん動運動を促す働きがあるからです。

 

そして、食べないダイエットを行った場合、腸の内容物の量はかなり少なくなります。そのため、腸壁への刺激が弱くなってしまい、ぜん動運動が起こりにくくなるのです。これがダイエットによって便秘になってしまう主な原因です。

 

中には「食べる量が少ないから便秘でも構わないのではないか」と考える方もいるかもしれません。しかし、それは間違いです。

 

便をお腹の中に留めておくと、悪玉菌によってインドールやアンモニアなどの腐敗物質が作られ続けます。

 

これらの腐敗物質は腸壁から血液中に移行して、全身をかけ巡るため、体全体の調子に悪影響を与えてしまいます。そのため、肌荒れや疲労感に繋がりますし、慢性的にこの状態が続くと動脈硬化などを引き起こすリスクが高まります。

 

このような状態にならないためにも、腐敗物質はすぐに排泄する必要があるのです。

 

そのため、食べないダイエットを行う場合は、少ない量でも便秘になりにくいものを食べる必要があります。

 

食事の量を減らすときの注意点

上述のとおり、単純に食事の量を減らすだけでは腸壁への刺激が弱くなるため、ぜん動運動が促進されず、便秘になってしまいます。

 

これを防ぐためには、食べる量を減らしても腸壁を刺激してくれるものを食べる必要があります。それが、不溶性食物繊維です。

 

不溶性食物繊維とは水に溶けない食物繊維のことで、野菜、穀物、豆類に多く含まれる栄養素です。不溶性食物繊維には、腸の中で他の消化物と混ざり合って便のかさを増やすという働きがあります。便のかさが増えると腸壁に物理的な刺激が伝わるため、ぜん動運動が活発になります。

 

このように、不溶性食物繊維は「便のかさを増やす→腸壁を刺激する→ぜん動運動を促進する」というふうに働くことで、便通をスムーズにする働きがあります

 

ただ、不溶性食物繊維を摂取するときは一つだけ注意点があります。それは、水溶性食物繊維も同時に摂取するということです。

 

水溶性食物繊維とは、水に溶けてドロドロになる食物繊維のことで、長芋やオクラなどのネバネバした野菜、こんにゃく、海藻、フルーツに多く含まれます。この水溶性食物繊維には便を柔らかくするという働きがあります。

 

水溶性食物繊維をとらずに不溶性食物繊維ばかり摂取していると、ガスが溜まってお腹が張りやすくなってしまいます。そのため、水溶性食物繊維も適度に摂取する必要があります。

 

「水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2」のバランスが理想的ですが、正確に測定するのは難しいため、あまりに気にしなくて構いません。ただ、海藻やこんにゃくなどの水溶性食物繊維を含む食材を食卓に並べることは意識しておいてください。

 

また、食物繊維は消化管で消化・吸収されにくい栄養素です。そのため、ダイエット中でカロリーを気にしている方にとっても、摂取しやすい栄養素といえます。

 

今回述べてきたように、ダイエットによる便秘で悩む女性は意外とたくさんいます。それを解消するためには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂取することが効果的なので、ぜひ参考にしてみてください。

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