ページTOPへ

腸内細菌研究者がお届けする『腸』役立つ健康メソッド

便秘の人の腸内環境は間違いなく悪化している

便秘の人の腸内環境は間違いなく悪化している

「便秘の人の腸内環境は悪化している」ということはある程度イメージできると思います。便秘の人はお腹が張っていて、おならも臭いです。おならが臭いということは、腸の中でスカトールなどの腐敗物質を作る悪玉菌が増えているということです。

 

一般の書籍やインターネットサイトなどでも「便秘の人のお腹には悪玉菌がうじゃうじゃいる」といった表現で説明されています。

 

では「腸内環境の悪化」とは、実際にどのくらい悪くなっているのでしょうか? 悪玉菌が「うじゃうじゃ」と記載されていますが、どの程度増えているのでしょうか?

 

今回は「便秘の人の腸内環境」について、科学的なデータをもとに解説していきます。実際に便秘の人では、善玉菌が減って悪玉菌が増えていることを理解しましょう。

 

便秘になると悪玉菌が増える

ここでは2014年に科学論文に報告された内容を簡単に解説していきます。

 

※ 参考文献:Physiological Genomics, 2014, 46, 679

 

論文の内容を要約すると以下のようになります。

  • 2週間以上、スムーズに排便できていない人を8名集めました。この人たちを便秘グループといいます。
  •  

  • 便秘ではない人たちを14名集めました。この人たちを普通グループといいます。
  •  

  • 便秘グループと普通グループの人たちの腸内細菌を解析しました。その結果、便秘グループでは悪玉菌が増えていることがわかりました。

 

普通グループと便秘グループの腸内細菌の違いは以下のとおりです。

 

便秘,腸内フローラ

 

この図では腸内細菌を4つのグループに分類しています。腸内細菌は約30000種類いるといわれているので、かなり大雑把な分類の仕方であると認識しておいてください。

 

バクテロイデスというグループは、よく「痩せ菌」と呼ばれます。痩せている人に多いため、このように呼ばれています。

 

ファーミキューテスというグループは、よく「デブ菌」と呼ばれます。太っている人に多いため、このように呼ばれています。

 

アクチノバクテリアというグループにはさまざまな細菌がいます。ビフィズス菌もこのグループに属します。

 

プロテオバクテリアというグループは、基本的には悪玉菌のグループです。大腸菌もこのグループに属します。

 

上の図を見ると、便秘の人では「バクテロイデス(痩せ菌)の減少」「ファーミキューテス(デブ菌)の増加」「アクチノバクテリアの増加」「プロテオバクテリア(悪玉菌)の増加」という特徴があることがわかります。

 

この論文では、デブ菌の中でも特に「糖尿病と関係のある腸内細菌が増えている」と書かれていました。便秘だから糖尿病になるわけではありませんが、病気に関係する悪玉菌が増えていると考えられます。

 

このように、便秘の人では便秘ではない人と比べて、腸内環境は大きく変化しています。

 

ただ、ここで「アクチノバクテリア」が気になった人がいるかもしれません。上述のとおり、アクチノバクテリアには善玉菌であるビフィズス菌が属しています。そのため、「ビフィズス菌も増えているから、腸内環境が悪化しているとはいえないのでは?」と思うかもしれません。

 

ただ結論からいうと、ビフィズス菌は増えていません。アクチノバクテリアに属する別の細菌が増えているため、このようなグラフになっているのです。このことについて、以下で解説していきます。

 

便秘になるとビフィズス菌が減る

「便秘の人ではビフィズス菌が減っている」ということは別の科学論文(Journal of Neurogastroenterology and Motility, 2015, 21, 111)で報告されています。

 

この論文でも上記と同じように、便秘グループ(30名)と普通グループ(30名)の腸内細菌を比較しています。詳細は省きますが、便秘グループでは普通グループに比べて、ビフィズス菌の割合が1/4ぐらいに減っていたのです。

 

ビフィズス菌は腸の中で最も代表的な善玉菌です。その善玉菌が1/4に減少していることからも腸内環境が悪化していることがわかります。

 

ここまで述べてきたように、便秘の人には「バクテロイデス(痩せ菌)の減少」「ファーミキューテス(デブ菌)の増加」「プロテオバクテリア(悪玉菌)の増加」「ビフィズス菌が1/4に減少」という変化があります。そのため、腸内環境は確実に悪化しているといえます。

 

腸内環境の悪化は将来的に何らかの体の不調を招く可能性があります。そのため、便秘はなるべく早く解消する必要があります。このサイトに記載している便秘解消法を参考にして、一日も早く良好な腸内環境を取り戻してください。

 

まとめ

  • 便秘の人の腸内環境は悪化している。具体的には、「バクテロイデス(痩せ菌)の減少」「ファーミキューテス(デブ菌)の増加」「プロテオバクテリア(悪玉菌)の増加」「ビフィズス菌の減少」などの変化が認められる
  •  

  • 腸内環境の悪化が長期間続くと、将来的に体の不調を招く必要がある。そのため、便秘はなるべく早く解消したほうがよい
管理人が厳選したおすすめサプリメント


腸内環境の改善には「食生活」と「生活習慣」を見直すことが重要です。ただ、サプリメントで手軽に済ませたいという要望があるのも事実です。


こちらのページでは、私が厳選したおすすめのサプリメントを紹介しています。

関連ページ

働く女性に多い慢性的な便秘と薄い危機感
意外とあいまいな便秘の定義
便秘の種類:病気や生活習慣が原因で引き起こされる便秘
運動不足の人に多い「ぜん動不全型の便秘」
便意を我慢してしまう人に多い「直腸・肛門型の便秘」
まじめな人や不規則な生活をする人に多い「ストレス型の便秘」
女性に多いダイエットによる便秘
真夏と真冬は便秘に注意
女性や高齢者が便秘になりやすい理由とその対策
不溶性食物繊維の過剰摂取は便秘を悪化させることがある
夕食時のお酒と就寝前の水分補給は便通に影響する
朝に便意を生じやすい理由と便秘予防に効果的な朝の過ごし方
就寝前の食事はモチリンの働きを弱くして便秘を招く
睡眠不足は便秘の原因:その理由と4つの予防策
便秘と大腸がんの関係:大腸がんの実態と厚生労働省の調査
むくみと便秘の関係:むくみ対策は便秘解消に繋がる
下剤を使用する際の注意点:便秘の正しい対処法
下剤の種類:刺激性下剤と機械性下剤
下剤の種類:新しいタイプの下剤
日本と欧米の便秘治療:患者にも正しい知識が必要
宿便の定義:腸壁にこびり付く便は存在しない
便秘のときの考え方と便秘解消のポイント
便秘体質が親から子に伝わる要因:遺伝と生活習慣の影響
便秘と下痢を繰り返すときは過敏性腸症候群の可能性が高い
慢性的な便秘は切れ痔やいぼ痔の原因になる:痔の種類と対処法
慢性的な便秘の人は口からメタンガスを出している
乳幼児の便秘:原因と対策
小学生以降の子供の便秘:原因と対策
妊婦が便秘になりやすい理由とその対処法
便秘の人が外食するときに注意しておくこと
オリーブオイルが便秘に効く理由と摂取するときの注意点
高齢者の便秘:原因・注意点・対処法

トップ お問い合わせ サプリメント