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便秘体質が親から子に伝わる要因:遺伝と生活習慣の影響

便秘体質が親から子に伝わる要因:遺伝と生活習慣の影響

便秘体質は親から子どもに遺伝するのでしょうか?

 

「便秘 遺伝」でインターネット検索をしてみるとさまざまな記事が出てきます。そしてほとんどの記事では以下のように書いてあります。

@ 便秘体質は遺伝しない
A 親と子は生活習慣が似ているので、その影響で子どもも便秘になる

 

これらの情報は本当に正しいのでしょうか? 彼らは何を根拠にこのようなことを書いているのでしょうか?

 

残念ながらこれらのネット情報は正しくありません。Aの「生活習慣の影響で便秘になる」という部分は正しいですが、生活習慣の影響だけではなく遺伝子の影響もあるのです。

 

そこで今回は「親から子に便秘体質が伝わる要因」について解説していきます。ネット上にあふれる誤った情報をうのみにせず、正しい情報を見極められるようになりましょう。

 

また最後に「親も自分も便秘体質」という人へメッセージを書いています。正しい知識をもって便秘に立ち向かっていきましょう。

 

生活習慣の影響で便秘になる

冒頭に記載したとおり、インターネット上には「@ 便秘は遺伝しない」「A 親と子は生活習慣が似ているので、その影響で子どもも便秘になる」という情報があふれています。

 

@は誤りでAは正しいです。@については後述するので、ここではAについて述べていきます。

 

当然ですが、子どもの食生活はほとんど親に委ねられています。

 

例えば、私は子どもの頃に麻婆豆腐を食べたことがありませんでした。なぜなら、母親があまり作らなかったからです。また私はカレーライスにウスターソースをかけて食べていました。父親がそのようにして食べていたからです。

 

親の影響を受けるのは食生活だけではありません。

 

親がスポーツをやる人であれば、子どもも同じスポーツをする機会が多いはずです。逆に親が運動嫌いで外出しないでいると、子どもも同じような生活を送ることになります。

 

このように、子どもの生活習慣は親とよく似たものになります。そのため、親が「野菜をあまり食べない」「運動しない」といった生活をしていると、その影響で子どもも便秘になりやすくなってしまうのです。

 

我が家の例:祖父、父親、私はみんな便秘体質

ここで我が家のことを簡単に紹介します。

 

私の父親は便秘体質です。一週間ほど便が出ずに浣腸で排便したこともあります。また父の話では、父の父(私の祖父)も便秘体質だったそうです。そして私も便秘体質です。食生活や生活リズムを乱してしまうと簡単に便秘になってしまいます。

 

このように、私の家系の男性陣はほぼ全員が便秘体質なのです(兄&女性陣のことは不明)。

 

もしインターネット情報が正しいとすると、この便秘体質は生活習慣だけが原因ということになります。

 

しかし私は高校卒業後、ずっと実家を離れて生活しています。もはや食生活は父親とはまったく違います。また私はデスクワーク中心の仕事をしていますが、父親は畑仕事などで体を動かしています。

 

このように今では私と父の生活習慣はまったく異なります。それでも二人とも食生活や生活リズムを乱してしまうと簡単に便秘になってしまいます。相変わらず二人とも便秘体質なのです。

 

つまり、二人の便秘体質は生活習慣だけでは説明できないのです。ここには遺伝子の影響があるはずです。このことについて、科学的根拠も交えながら以下に述べていきます。

 

便秘体質は遺伝子の影響を受ける

私が「便秘体質は遺伝する」と考える根拠は二つあります。一つは「腸内環境は遺伝子の影響を受ける」からです。もう一つは「便秘に関係する遺伝子が見つかっている」からです。これらについて説明していきます。

 

腸内環境は遺伝子の影響を受ける

腸内環境が便秘に関係することはいうまでもありません。

 

お腹の中に乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などの善玉菌がたくさんいるときは良い腸内環境です。このときは快便です。そのため、ヨーグルトを食べたり乳酸菌サプリメントを飲んだりして腸内環境が改善されると、便秘も解消されるのです。

 

では、腸内環境に影響を与えるのは食生活だけでしょうか? 実は食生活だけではなく、遺伝子も腸内環境に影響を与えるのです。

 

その一例として「ob遺伝子」という遺伝子があります。この遺伝子に変異があると腸内環境が大きく変化するのです。

 

この事実は「腸内細菌と肥満」の研究で有名なワシントン大学のジェフリー・ゴードン先生によって発見されました(参考文献:Nature, 2006, 444, 1027)。

 

この研究成果からわかるとおり、腸内環境は遺伝子の影響を受けて変化します。そのため、「遺伝子の影響 → 腸内環境の変化 → 便通の変化」という流れで便秘になり得るのです。

 

便秘に関係する遺伝子が見つかっている

2016年には便秘に直接関係する遺伝子が見つかっています。「TRPM8」という遺伝子です。

 

スペインとスウェーデンの研究チームが、この遺伝子が「便の水分量」に影響することを発見したのです( 参考文献:Gut, 2016)。

 

このように、直接便秘に影響を及ぼす遺伝子も見つかっています。

 

多くのインターネットサイトで「便秘は遺伝しない」と書かれていますが、根拠のないデタラメであることがわかります。

 

便秘体質は遺伝するが生活習慣に気をつければ改善できる

ここまで述べてきたように、便秘体質には「遺伝」と「生活習慣」の二つが関係しています。

 

私は生活習慣や食習慣を意識しているので、普段は便秘ではありません。しかし、食生活が乱れるとすぐに便秘になってしまいます。その原因はおそらく「遺伝」だと思います。

 

ここで重要なポイントがあります。便秘体質が遺伝するからといって、絶対に便秘になるわけではありません。「遺伝によるハンデ」はあるかもしれませんが、食生活や生活習慣を意識すれば克服することができるのです。大事なのは「親も便秘体質だから」と諦めないことです

 

遺伝子は変えられないが、腸内環境は変えられる

 

この言葉をぜひ覚えておいてください。そして、あなたの便秘体質を改善するために、このサイトを有効に活用してください。

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