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腸内細菌研究者がお届けする『腸』役立つ健康メソッド

下剤の種類:刺激性下剤と機械性下剤

下剤の種類:刺激性下剤と機械性下剤

下剤は、有効成分がどこに作用するかによって、「刺激性下剤」と「機械性下剤」に分類されます。

 

そして、刺激性下剤はさらに「結腸刺激性下剤」、「小腸刺激性下剤」、「浣腸・坐薬」に分類されます。また機械性下剤は、「塩類下剤」、「糖類下剤」、「膨張性下剤」、「浸潤性下剤」に分類されます。

 

便秘に対処する上で、下剤の特徴を把握しておくことは非常に重要です。なぜなら、誤った下剤の使用は、かえって便秘を悪化させることがあるからです。そこで今回は、これらの薬の特徴について解説していきます。しっかりと把握して、正しい使い方を理解しておきましょう。

 

腸に作用する刺激性下剤

刺激性下剤は、腸に直接作用してぜん動運動(食べた物を肛門方向へと移動させる収縮運動)を促進させる薬です。結腸に作用する結腸刺激性下剤、小腸に作用する小腸刺激性下剤、直腸に作用する浣腸・坐薬に分けられます。

 

※大腸は小腸に近い順に、盲腸、結腸、直腸に分類されます。大腸の大部分を占めるのが結腸です。また肛門の直前にあるのが直腸です。

 

結腸刺激性下剤

使用する際、最も注意が必要な下剤が「結腸刺激性下剤」です。この下剤を数ヶ月服用していると、大腸の中に「大腸メラノーシス」と呼ばれるシミが生じてしまいます。

 

大腸メラノーシスができた部分では、腸の働きがかなり弱くなっていることが確認されています。つまり、便秘が悪化しているのです。

 

そのため、結腸刺激性下剤を数ヶ月単位で服用することは避けるようにしてください。ただ、急な便秘に早急に対処したいという場合に服用するのは問題ありません。

 

結腸刺激性下剤には、センナ(センノシド)、ダイオウ、アロエなどの植物から抽出された成分が有効成分として含まれます。したがって、服用する際はこれらの名前が記載されていないか確認するようにしましょう。なお、これらの有効成分は、アントラキノンという物質に類似しているため、「アントラキノン系」の下剤とも呼ばれます。

 

センナ、ダイオウ、アロエというのはすべて生薬(自然界にある植物などの抽出物)です。一方、別の結腸刺激性下剤として、ビサコジルやピコスルファートという化学合成された薬があります。これらは上記の生薬と比較して副作用が弱いため、比較的安全です。

 

このように、生薬の方が体に悪くて、化学合成された薬のほうが安全ということに驚かれた方もいるかもしれません。ただ、このようなことはしばしばあります。「自然のものだからといって安全とは限らない」という認識を持っておくことが重要です。

 

小腸刺激性下剤

小腸刺激性下剤はその名の通り、「小腸を刺激してぜん動運を促す薬」です。ひまし油が含まれる薬がこれに該当します(例えばヒマシ油「ヨシダ」という薬があります)。

 

また薬ではありませんが、オリーブオイルにも小腸刺激作用があると言われています。そのため、スプーン一杯のオリーブオイルを摂取するよう医師から勧められることもあります。

 

アントラキノン系の結腸刺激性下剤に比べると副作用が弱いため、比較的安全な便秘薬です。

 

浣腸・坐薬

主成分であるグリセリンという物質が直腸に刺激を与えて排便を促します。即効性があるため、今すぐ排便したいという方には有効です。

 

便に作用する機械性下剤

刺激性下剤は腸に作用してぜん動運動を促す薬です。一方で、機械性下剤は便に作用して、便の水分量や体積を増やす薬です。塩類下剤、糖類下剤、膨張性下剤、浸潤性下剤の4種類が知られています。

 

塩類下剤

消化器内科の先生方がおススメしている下剤が塩類下剤です。有効成分として酸化マグネシウム硫酸マグネシウムなどが含まれる薬がこれに該当します。

 

塩類下剤には、「便の浸透圧を上げる」という作用があります。浸透圧とは、「水分を引き寄せる力」と考えてください。便の浸透圧が上がると便が水分を失いにくくなります。そのため、便が柔らかくなるのです。

 

結腸刺激性下剤に比べて副作用が少ないため、下剤を服用したい場合は、まず塩類下剤を使用するのが良いでしょう。ただし、腎機能が低下している人が服用すると「高マグネシウム血症」の原因となる場合があるので、注意が必要です。

 

糖類下剤

塩類下剤と同じように、便の水分量を増やす薬です。胃や小腸で吸収されにくい糖類(ラクツロースなど)が有効成分として含まれます。

 

副作用が少ないのが特徴的で、子供の便秘治療にもしばしば処方されます。

 

また、便秘薬としてではなく、「肝硬変に伴う高アンモニア血症(血液中のアンモニア濃度が高くなってしまう病気)」の治療薬としても使用されることが多いです。

 

膨張性下剤

寒天などのように水分を吸収して便の嵩を増やし、柔らかくすることで排便を促します。食物繊維と同様の働きであるため、自然に近い作用で排便することができます。そのため副作用がほとんどなく、安心して使用できます。

 

一方、作用は穏やかで効き目が弱いという欠点もあります。

 

浸潤性下剤

界面活性剤と呼ばれる「石鹸のような物質」が主成分の薬です。便の表面に作用して、水が浸透しやすくする作用がありますが、日本ではあまり普及していません。

 

今回述べてきたように、さまざまな種類の便秘薬が存在します。それぞれ特徴が異なるため、使用する際は特徴を把握したうえで、薬を選択する必要があります。特に市販薬を買って飲む場合は注意が必要です。

 

今回紹介した内容を参考に、結腸刺激性下剤を極力避け、他の下剤を使用するにしてください。そうすることで、腸機能の低下や便秘の悪化を避けることができます。

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