腸内細菌研究者がお届けする『腸』役立つ健康メソッド

さまざまなビフィズス菌の特徴と健康への影響

さまざまなビフィズス菌の特徴と健康への影響

腸内環境を整えるためには「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」を意識して、両方摂取することが重要です。

 

プロバイオティクスとは簡単にいうと「善玉菌」のことです。ヨーグルトや発酵食品に含まれる乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などが該当します。

 

一方、プレバイオティクスとは「善玉菌のエサ」のことです。野菜や果物に含まれる食物繊維やオリゴ糖が該当します。

 

ここでは、プロバイオティクスの中でも特にビフィズス菌に着目し、さまざまなビフィズス菌の特徴や生理作用(体に与える影響)についてまとめていきます。あなたが普段摂取しているビフィズス菌にどのような働きがあるか把握しておきましょう。

 

ヒトの腸内にいるビフィズス菌の特徴

まず、ビフィズス菌に共通する性質について整理しておきます。

 

ビフィズス菌の定義

ビフィドバクテリウム科に分類される細菌のことをビフィズス菌と呼びます。

 

※ 「科」とは微生物を分類する単位のことです。

 

2016年7月現在、約50種類のビフィズス菌が見つかっていますが、そのうち人の腸で検出されるビフィズス菌は10種類程度です(他の約40種類は、動物の腸などから見つかっています)。人の腸管内で見つかった代表的なビフィズス菌を以下に例示します。

 

・ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)
・ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)
・ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)
・ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)
・ビフィドバクテリウム・インファンティス (Bifidobacterium infantis)
・ビフィドバクテリウム・カテヌラートム(Bifidobacterium catenulatum)
・ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラートム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)

 

ビフィズス菌は偏性嫌気性

ビフィズス菌は酸素に触れると死んでしまいます。このような細菌のことを偏性嫌気性菌(へんせいけんきせいきん)といいます。

 

※ 意外に思うかもしれませんが、酸素があると死んでしまう細菌はたくさんいます。実際、腸内細菌の9割以上は偏性嫌気性菌です。

 

ビフィズス菌は偏性嫌気性菌であるため、酸素が残っている小腸にはほとんどいません。ビフィズス菌のほとんどは、酸素のない大腸内に生息しているのです。

 

またビフィズス菌を含むヨーグルトのパッケージには、酸素の影響を受けないように、通気性の低い容器が使われています。

 

※ ビフィズス菌は他の偏性嫌気性菌と比べると、少しだけ酸素に強いです。そのため書籍によっては「微好気性菌(わずかに酸素があっても生きられる細菌)」と記載される場合もあります。

 

ビフィズス菌は加齢の影響を受ける

生後間もない赤ちゃんの場合、腸内細菌の60〜90%はビフィズス菌が占めています。その後、離乳食を境にビフィズス菌の割合は減少していきます。

 

20代で健康的な食事をしていれば、腸内細菌の中でビフィズス菌が占める割合は約20%になります。50代頃になるとビフィズス菌は5〜8%程度に減少し、さらに年をとるとビフィズス菌がいなくなってしまう人もいます。

 

ただ、この○%という数値は2000年以前の研究で得られたデータに基づいて算出されています。2000年以降になると「腸内細菌の遺伝子解析技術」が発展し、より詳細な解析が可能となりました。

 

その結果、ビフィズス菌はもっと少ない可能性があることが分かってきました。2016年8月の段階では、「腸内細菌の中でビフィズス菌が占める割合は1〜5%」という研究データが得られています。

 

ビフィズス菌が産生する物質

ビフィズス菌は糖類、特にオリゴ糖をエサにして酢酸乳酸といった体に良い物質を作ります。

 

また酪酸菌に働きかけて、酪産の産生を促します。酪酸は腸内環境を整える上で非常に重要な物質です。

 

これらは全て「酸」であるため、たくさん作られると腸内が酸性になります。酸性条件下では、大腸菌やクロストリジウムなどの悪玉菌の増殖が抑制されるため、さらに腸内環境は良くなります。

 

また、ビタミンB類やビタミンKなども産生します。

 

ビフィズス菌ごとの特徴

ここまではビフィズス菌に共通する性質を述べてきました。ここからは、個別のビフィズス菌ごとの性質をまとめていきます。

 

ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)
  • アレルギー性鼻炎の症状軽減作用があります。
  • 中性脂肪、コレステロール、血糖値を下げるといった体に有益な作用もあります。

 

<管理人コメント>

世界で初めて発見されたビフィズス菌です。アレルギー性鼻炎やコレステロールが気になる方は積極的に摂取してみましょう。また某整腸剤にも含まれることから分かる通り、腸内環境を整える力も強いです。

 

ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)

ビフィズス菌BB536ビフィズス菌JLB01というビフィズス菌が有名です。それぞれ以下のような効果が知られています。

  • ビフィズス菌BB536:大手乳製品メーカーが開発したビフィズス菌です。花粉症の症状緩和、免疫力強化、コレステロール低下など、さまざまな作用があります。
  • ビフィズス菌JBL01:別のメーカーが開発したビフィズス菌です。便秘の改善効果が高いことで有名です。

 

<管理人コメント>

ビフィドバクテリウム・ロングムは胃酸に強いという性質があるため、生きたまま大腸に届きやすいです。

 

また、ビフィドバクテリウム・ロングムの中には「ビオチン」という体に有益な物質を作る細菌と消費する細菌がいます。ビオチンは、アトピーの症状緩和や頭髪の発毛に関係する物質です。

 

抗生物質服用後などの腸内環境が乱れているときに、ビオチンを消費する細菌(ビフィズス菌JBL01など)ばかり摂取していると腸内のビオチンが枯渇してしまい、体に悪影響を及ぼします。

 

またビフィドバクテリウム・ロングムには、腸管出血性大腸菌O-157の感染を予防するという働きもあります。

 

ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)
  • 免疫力を高める作用がある。
  • 体に悪影響を及ぼす「シュウ酸」という物質を分解する。

 

<管理人コメント>

青年期以降の大人の腸管内で多く見つかっているビフィズス菌です。「青年期」を表す英単語「adolescence」が名前の由来になっていると思われます。

 

ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)
  • 免疫力を高める作用がある。
  • メタボ予防効果がある。

 

<管理人コメント>

赤ちゃんに多いビフィズス菌で、加齢とともに減少します。胃酸に強く、生きたまま腸まで届きやすい細菌です。

 

ビフィドバクテリウム・ロングムと同じく、腸管出血性大腸菌O-157の感染を予防したり、食中毒菌であるカンピロバクターを除菌したりするなど、感染予防に重要な働きをします。これにはまだ免疫が発達していない赤ちゃんを病原菌から守る役割があると考えられます。

 

ビフィドバクテリウム・インファンティス (Bifidobacterium infantis)
  • ストレス低減作用があります。
  • 体内の免疫機能を調節する働きがあります。

 

<管理人コメント>

ビフィドバクテリウム・ロングムやビフィドバクテリウム・ブレーベと違って、腸管出血性大腸菌O-157の感染予防効果はありません。

 

一方、インターロイキン17という成分(厳密にはタンパク質)の産生量を減らすことで、免疫のバランス調整を行ってくれます。

 

このように、ビフィズス菌といってもさまざまな種類がいます。そしてそれらは基本的に「すべて腸内環境に良い」と考えて構いません。また現在でもビフィズス菌に関する研究は進められており、今後さらなる効果が付け加えられる可能性があります。

 

特に高齢になるにつれてビフィズス菌が減少する傾向にあるため、積極的にビフィズス菌やエサであるオリゴ糖を摂取し、腸内環境を整えるようにしましょう。

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