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腹痛・下痢・便秘などの症状で現代人を悩ませる過敏性腸症候群(IBS)

腹痛・下痢・便秘などの症状で現代人を悩ませる過敏性腸症候群(IBS)

ストレスは腸内環境を乱し、便通異常を引き起こすことが知られています。

 

例えば、徳川家康は「三方ヶ原の戦い」において惨敗し、敗走中、極度のストレスから脱糞したというエピソードがあります。その他の例として、宇宙飛行士は精神的ストレスが生じる長時間の訓練を行うと、腸内細菌バランスが悪化するということが証明されています。

 

このように、ストレスは腸内環境に悪影響を及ぼします。そして、ストレス社会と呼ばれる現代においては、多くの人が精神的ストレスに伴う便通異常に悩んでいます。

 

例えば、「出勤中の電車内で、急な腹痛に襲われて便意を催す」といった症状が続いている人はいないでしょうか? 朝の通勤ラッシュ時、都内駅構内のトイレには長蛇の列ができていることがしばしばあります。これは、出勤中の腹痛や下痢に悩む社会人が多いためだと考えられています。

 

このような状況を緩和するために、都内駅構内のトイレマップが書籍化されていたり、スマートフォンのアプリとして開発されていたりするほどです。

 

このように、日常的なストレスが原因で生じる便通異常は、過敏性腸症候群と呼ばれる疾患の可能性があります。今回は、この疾患の特徴について解説していきたいと思います。

 

※ 過敏性腸症候群は IBS と略されることがあります。これは「過敏性腸症候群」を表す英語 "irritable bowel desease" の略です。

 

過敏性腸症候群の主な原因は精神的ストレス

過敏性腸症候群とは、通常の検査では身体的な異常が見つからないにも関わらず、腹痛や下痢、便秘などの症状が慢性的に続く病気です。

 

この病気を罹患すると、電車に乗っていても、急にお腹が痛くなってしまい、途中下車してトイレに駆け込むことが多くなります。そのため、急行電車に乗るのが怖くなることから、別名「各駅停車症候群」とも呼ばれています。

 

主な原因は、ストレスや不安などの精神的な異常です。そのため、現代病の一つと言われることがあります。実際、消化器内科を訪れる患者のうち、最も多いのが、この病気で悩んでいる人です。

 

罹患しやすい人の特徴として、神経質な人、真面目な人、責任感の強い人が挙げられます。なぜなら、このような性格の人ほど日常的にストレスを受けやすいからです。

 

過敏性腸症候群の特徴

日本消化器病学会によると、過敏性腸症候群は4つの型に分けられます。つまり、便秘が頻発する「便秘型」、下痢が頻発する「下痢型」、便秘と下痢が繰り返される「混合型」、このいずれにも分類されない「分類不能型」です。それぞれIBS-C、IBS-D、IBS-M、IBS-Uと略語で表されることがあります。

 

※ 略語には次に示すような英単語の頭文字が使われています。便秘:Constipation、下痢:Diarrhea、混合:Mixed、分類不能:Unclassified

 

男性では比較的下痢型が多く、女性では便秘型が多いという傾向があります。実際、下痢症状で医療機関を受診する人のうち、最も多い原因疾患が過敏性腸症候群だといわれています。

 

下痢型の場合、急な腹痛を伴うことが多いのも特徴的です。そのため、日常生活に支障をきたす場合もあります。中には、トイレットペーパーを常に持ち歩いている人もいるほどです。

 

また便秘型の場合は、体内に腐敗物質を溜め続けることになるため、肌荒れや疲労感などの体調不調に繋がります。また他の大きな病気を引き起こすリスクも高くなる可能性があります。

 

そのため、過敏性腸症候群が疑われる症状が生じた場合は、医療機関を受診したり、生活習慣を見なおしたりするなどの対策が必要になります。

 

医療機関を受診すると、消化管機能を調節する薬や、下痢や便秘の症状を緩和する薬が処方されることがあります。また、精神的ストレスが原因であることが多いため、必要に応じて、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることもあります。

 

ただ、薬に頼って治療したとしても、生活習慣やストレスへの対応を改善しない限り、再発する可能性があります。そのため、自身で生活習慣を見直し、ストレスを軽減することも大切です。実際、医師からもそのように指導されることがあります。

 

また腸内環境を整えるような生活習慣に改善することで、症状を緩和することも可能です。

 

このように、過敏性腸症候群は多くの現代人を悩ませる腸疾患の一つです。特に下痢型の場合、トイレのない場所に長時間いられないなど、生活の幅が制限されることもあります。また便秘型では体調不良に繋がる可能性が高くまります。そのため、症状を緩和するためにも、ストレスを軽減したり、腸内環境を整えたりすることが重要となります。

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