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過敏性腸症候群(IBS)の症状緩和に有効な食事

過敏性腸症候群(IBS)の症状緩和に有効な食事

過敏性腸症候群とは、通常の検査では身体的な異常が見つからないにも関わらず、腹痛や下痢、便秘などの症状が慢性的に続く病気です。

 

日常的なストレスが原因であることが多いため、神経質な人、真面目な人、責任感の強い人が罹患しやすいです。また、感染性腸炎(細菌やウィルスの感染が原因で生じる腸炎)や偏った食事が原因になることもあります。

 

なお、過敏性腸症候群はIBSと略されることが多いので、このページでもそのように略して記載します。

 

※ IBSは「過敏性腸症候群」を意味する “irritable bowel syndrome” の略です。

 

IBSに罹患すると腹痛や下痢が頻発するため、生活の幅が制限されてしまいます。そのため、食事などの生活習慣を見直したり、早めに医療機関を受診したりすることが重要です。

 

ここでは、IBSに罹患した際の食事における注意点について紹介します。万一、IBSに罹患したとしても、食事のポイントを把握しておけば、悪化を防ぐことができます。また、その間に医療機関を受診することにより、早期に回復する可能性が高まります。

 

過敏性腸症候群(IBS)に罹患した場合の食事療法

IBSに罹患した時は、当たり前かもしれませんが暴飲暴食は避けましょう。

 

そのうえで、炭水化物や脂質の多い食事は避けたほうが良いです。炭水化物を多量に摂取すると、大腸内でガスが発生しやすくなってしまいます。そのためIBS特有の腹部膨満感につながってしまいます。

 

また、脂質を多量に摂取すると、腹痛を生じやすくなることが分かっています。そのため、脂質も避けたほうが良いです。

 

また、一般的に胃腸に優しくないと言われる香辛料やアルコール、コーヒーなども症状を悪化させるので、避けることが推奨されています。

 

過敏性腸症候群(IBS)に有効な低FODMAP食

IBS罹患時の食事として、低FODMAP(フォドマップ)食という食事療法が推奨されています。これは、前述の「炭水化物を避ける」という注意点を、より具体的に表した食事療法です。

 

FODMAPとは、「fermentable(発酵性の)、oligosaccharides(オリゴ糖)、disaccharides(二糖類)、monosaccharides(単糖類)、and polyols(ポリオール)」の略で、低FODMAP食とは、これらの摂取を控えめにする食事のことです。

 

「オリゴ糖」「二糖類」「単糖類」「ポリオール」の中にはあまり聞き慣れない言葉もあるかもしれませんが、これらは全て炭水化物の一種です。

 

単糖類というのは果物に含まれる果糖などの糖分を指します。二糖類というのは、単糖が二個つながったもので、具体的には乳製品に含まれる乳糖などが該当します。

 

オリゴ糖はブドウ糖などの糖が複数つながったもので、果物や野菜、ハチミツに多く含まれます。そして、ポリオールはキシリトールやソルビトールなどの甘味料が該当します。

 

これらの成分は小腸で消化・吸収されにくく、大腸まで到達します。そして、大腸内で発酵され、ガスが発生するため、腹部膨満感をはじめとする腹部の不快感に繋がります。これは前述の炭水化物と同様です。

 

低FODMAP食では、このようなガスの元となる食品成分の摂取を控えることがポイントとなります。そして、この低FODMAP食を2〜4週間続けることにより、症状が軽減したり、消失したりすることがあります。このように、低FODMAP食はIBSの症状緩和に有効な食事として知られています。

 

また、症状が消失した後は、1品ずつ控えていた食品を摂取するようにします。この時に再発すれば、その食品がIBSの症状と関係していることが分かります。そして、その後はその食品を避けることで、症状を軽減もしくは消失させた状態を維持させることが可能です。

 

※ 具体的にどのような食材にどれだけのFODMAPが含まれているかについては、FODMAPアプリというアプリが開発されているので、こちらを利用するのがよいと思います。

 

もちろん、この食事療法だけでは回復しないこともあります。しかし、症状の緩和が期待できる食事療法であることに違いないので、試してみる価値は十分にあります。実際、この低FODMAP食は日本消化器病学会でも推奨されています。

 

このように、IBSに罹患した場合は、炭水化物や脂質を避けることが推奨されます。特に、炭水化物に関しては、低FODMAP食を取り入れることで、症状の改善が期待されます。ただ、全てのIBS患者に有効というわけではないため、医師の指示に従いながら食事療法を行うのが最適だと思われます。

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