腸内細菌研究者がお届けする『腸』役立つ健康メソッド

腸内細菌叢における加齢の影響

腸内細菌叢における加齢の影響

私たちの腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:腸内細菌全体のバランスのこと。腸内フローラともいう。)は母親から譲り受けたものが基礎となっています。そして、日々の食生活の影響を受けて、徐々に独自の腸内細菌叢へと変化していきます。

 

では、毎日同じものを食べていれば、腸内細菌叢は一定に保たれるのでしょうか?

 

答えは No です。たとえ毎日同じものを食べていたとしても、加齢の影響によって、腸内細菌叢は徐々に変化していきます。しかも、腸内環境が悪化する方向に変化するため、注意が必要となります。

 

このように、腸内細菌叢は加齢によって悪化するため、高齢になるほど腸内環境の変化に気を付けなければなりません。腸内環境の悪化が各種疾患の発症に関与することも指摘されていることから、疾患予防のためにも、腸内環境を整えておくことは重要です。

 

まずは腸内環境が加齢に伴って、どのように変化するか理解していきましょう。

 

成年期までの腸内細菌叢

赤ちゃんは生まれる瞬間に母親の腸内細菌を譲り受けます。しかし、譲り受けた腸内細菌がすべて均等に生育するわけではありません。

 

と言うのも、生後まもなくの赤ちゃんの場合、腸管内に酸素が残っています。そのため、酸素存在下では生育できないビフィズス菌などの偏性嫌気性菌(へんせいけんきせいきん)は、すぐには増えません。これらの菌は活動が抑制されるか死滅してしまいます。

 

腸管内に酸素が残っている期間に活発に活動するのは、酸素存在下でも生育できる通性嫌気性菌(つうせいけんきせいきん)という種類の細菌です。そのため、生まれてすぐのお腹の中では、大腸菌や腸球菌という細菌が優勢になります。これらの細菌の数は、なんと成人の100倍以上にも達します。

 

しかし、生後二日目になると、母乳やミルクを飲み始めるため、ビフィズス菌が圧倒的に優勢となります。腸内細菌全体の60〜90%を占めるほどに増加するのです。これは母乳や粉ミルクにビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖が多く含まれるためです。

 

離乳食の時期になると、赤ちゃんの腸内環境は劇的に変化します。食べるものが大きく変化するため、当然腸内細菌叢も変化するのです。

 

この時期になると、ビフィズス菌が次第に減少し、日和見菌であるバクテロイデス門の細菌や、悪玉菌であるクロストリジウム属の細菌が急増します。このようにして、徐々に大人の腸内細菌叢に変化していくのです。

 

※ 「門」や「属」というのは腸内細菌を分類する単位です。腸内細菌は大きく、バクテロイデス門、ファーミキューテス門、アクチノバクテリア門、プロテオバクテリア門の4つの門に分類されます。そして、ファーミキューテス門の中には、クロストリジウム属やラクトバチルス属などの細菌がいます。このように、「属」は「門」よりも細かい分類の単位です。

 

20代頃になると、健康的な食事をしていればビフィズス菌約20%、クロストリジウム10〜12%ほどになり、しばらくはこのバランスが保たれます。

 

しかし、50代頃になると腸内細菌叢はまた新たな転換点を迎えることになります。以下の図からもわかる通り、ビフィズス菌が減少し、クロストリジウムの一種であるウェルシュ菌や大腸菌が増加するのです。つまり腸内環境は悪化します。

 

成年期以降の腸内細菌叢

50代になるとビフィズス菌は5〜8%まで減少します。中にはビフィズス菌が検出されない方も出てきます。一方、クロストリジウムや大腸菌などの悪玉菌が増加するため、徐々に悪玉菌優位に傾いていきます。そのため、50代を過ぎるとこれまで以上に腸内環境に気をつけなれければなりません。

 

老齢になると、一般的に便の量は減り、臭いがきつくなります。また便秘がちにもなります。実際、私の両親は二人とも加齢に伴い、このような症状が現れたそうです。

 

これについては、加齢に伴う筋力や新陳代謝の低下にも一因はありますが、主な原因は上述したような腸内細菌叢の変化と考えらています。

 

また、腸内環境が悪化すると、腸管内でアンモニアや硫化水素などの腐敗物質が多く作られます。これらは血液中に取り込まれた後、全身をかけ巡りながら老化を促進する働きがあります。

 

つまり、「老化→腸内環境の悪化→さらなる老化」という老化の悪循環が起こってしまうのです。

 

このように、腸内環境は加齢とともに悪化していきます。特に、腸内細菌叢が転換点を迎える50代になると、これまで以上に腸内環境に気をつけなければなりません。そのままにしておくと、腸内環境悪化による老化の進行を招く恐れもあります。

 

しかし、食生活を整えることで良好な状態へ変化させることは可能です。そのため、食事を通して、ビフィズス菌などの善玉菌が悪玉菌よりも優位な状態を維持する必要があります。そうすることによって、健康で若々しい状態を保つことができます。

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