腸内細菌研究者がお届けする『腸』役立つ健康メソッド

便やおならによる健康確認と悪玉菌であるクロストリジウムの特徴

便やおならによる健康確認と悪玉菌であるクロストリジウムの特徴

体に有益な作用をもたらす善玉菌とは逆に、体に有害な物質を産生し、体調不良や疾病の原因となる細菌を総称して悪玉菌と呼びます。代表的なものとして、一部のクロストリジウム(Clostridium)や大腸菌(Escherichia coli)が挙げられます。

 

ただし、クロストリジウムや大腸菌にも複数の種類があるため、すべての菌が悪玉菌というわけではありません

 

酪酸菌の一種であるクロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)は善玉菌ですし、これ以外にも、有益な働きをするクロストリジウムは存在します。大腸菌も同じです。あくまで、「クロストリジウムや大腸菌の中には、悪玉菌に分類される種類の細菌が多い」というふうに認識してください。

 

悪玉菌が体に対してどのような働きをしているか学ぶことで、普段の食事での注意点や健康管理のポイントを理解できます。中には重篤な疾患に繋がる悪玉菌も存在するため、これらを増やさない食生活を心がけることが重要です。

 

悪玉菌が産生する腐敗物質

悪玉菌は主にタンパク質を原料にして、腸管内で、硫化水素、アンモニア、インドール、スカトール、クレゾールなどの腐敗物質を作ります。焼き肉などで大量のタンパク質や脂質を摂取した翌日のおならが臭いのは、この腐敗物質が大量に産生されているためです。

 

これらの腐敗物質は主に大腸内で作られた後、一部は血液を介して全身を巡り、肌荒れや老化を促進します。これだけならまだ我慢できるかもしれませんが、ひどい場合は、生活習慣病、心血管系の疾患、腎疾患の原因になることもあるので注意が必要です。

 

腐敗物質の原料は主にタンパク質ですので、普段の食事ではタンパク質の過剰摂取を避けたほうが良いです。もしおならや便の臭いが強烈に臭い場合は、腸管内でこれらの腐敗物質が滞留していることを意味していますので、食生活を見直す必要があります。

 

悪玉菌であるクロストリジウムの特徴

ウェルシュ菌という種類の細菌がいます。正式名称はクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)といって、クロストリジウムの一種です。また、ボツリヌス菌という細菌も存在します。ボツリヌス毒素という強力な毒物を生み出す細菌として知られていますが、こちらはクロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)といって、やはりクロストリジウムです。

 

これらは食中毒に関与する細菌ですが、食中毒以外の疾患に関係しているものも知られています。例えば、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)は偽膜性大腸炎という疾患の原因菌ですし、クロストリジウム・ソルデリー(Clostridium sordellii)は肝臓がんの原因になる物質を産生する細菌です。

 

これらの例から分かるとおり、クロストリジウムには悪い働きをするものが多いです。酪酸菌のような善玉菌も中にはいますが、基本的には「クロストリジウム」とだけ聞くと、悪玉菌と認識しても問題ありません。

 

クロストリジウムには非常に興味深い特徴があります。この細菌は、ビフィズス菌と同じく、酸素が存在する環境下では生育できない偏性嫌気性菌(へんせいけんきせいきん)に分類されます。しかし、ビフィズス菌とは違って、実際は酸素存在下であっても死ぬことはあまりないのです。

 

一見矛盾しているように思うかもしれませんが、そうではありません。クロストリジウムには、芽胞(がほう)と呼ばれるバリアを自分の周りに作る特徴があるのです。このため、酸素存在下であっても、じっと耐えることができるのです。

 

この芽胞というバリアのおかげで、酸素だけでなく、熱に対しても耐性を示すことができます。偏性嫌気性菌のクロストリジウムが食品に汚染して、食中毒の原因になりやすいのは、この芽胞があるためです。

 

※芽胞を形成できないクロストリジウムは酸素存在下で死んでしまうため、偏性嫌気性菌であることに間違いはありません。

 

一部のウェルシュ菌、クロストリジウム・ディフィシル、クロストリジウム・ソルデリーなどは、腸内細菌として私たちのお腹の中に既に定着している可能性が高いです。

 

これらを増殖させないことが健康を保つ上では重要です。ところが、これらの菌だけを狙って選択的に殺菌することはできません。では、どうすればこれらの菌の増殖を防げるのでしょうか? それには善玉菌の力を借りるのがベストです。

 

善玉菌優勢であれば、これらの悪玉菌の活動は抑制され、結果として腐敗物質の産生や病原性を抑えることができます。しかし、タンパク質の過剰摂取や高脂肪食を続けていると、悪玉菌優勢となってしまい、腐敗物質や病原性物質が産生されてしまいます。

 

腐敗物質が大量に産生されるとおならや便が強烈な匂いを放つようになるため、それらを確認することで自分の腸内環境を簡易的に把握することができます。健康を保つ上ではできる限り腐敗物質を滞留させないことが重要であるため、定期的に便やおならの状態を確認してみることも重要です。

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