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病原性大腸菌の特徴とビフィズス菌による感染予防効果

病原性大腸菌の特徴とビフィズス菌による感染予防効果

大腸菌(Escherichia coli)は、その名が示すとおり、代表的な腸内細菌の一つです。しかし、一口に大腸菌と言っても、その中にはさまざまな種類の細菌がいます。

 

大腸菌は、病原性大腸菌と非病原性大腸菌の大きく二つに分類することができます。病原性大腸菌の中で最も代表的なものが、ニュースなどでしばしば報道される腸管出血性大腸菌O-157やO-111と呼ばれるものです。

 

これらの細菌に感染すると死に至るケースもあるため、極めて危険な病原性細菌と言えます。しかし近年、ビフィズス菌にO-157感染リスクを低減する効果があることが分かりました。このことから、ビフィズス菌による食中毒予防効果が強く期待されています。

 

病原性大腸菌の特徴を学ぶことで、その感染予防法を理解することができます。そのことが健康な食生活に繋がるため、まずは病原性大腸菌の特徴の把握とビフィズス菌による予防効果について理解していきましょう。

 

病原性大腸菌の種類と特徴

病原性大腸菌は、腸管病原性大腸菌(EPEC)、腸管侵入性大腸菌(EIEC)、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)、腸管出血性大腸菌(EHEC)、腸管凝集性大腸菌(EAEC または EAggEC)の大きく5種類に分類されます。

 

※ それぞれE○ECの形で略されます。最初のEは「腸の〜」を意味する“entero”、最後のECは「大腸菌」を意味する”Escherichia coli”の略です。

 

※ ○には該当する英単語の頭文字が入ります。病原性:pathogenic、侵入性:invasive、毒素原性:toxigenic、出血性:hemorrhagic、凝集性:aggregative

 

これら5種類のうち、身近なものは腸管毒素原性大腸菌(ETEC)と腸管出血性大腸菌(EHEC)であるため、これらについて解説します。

 

腸管毒素原性大腸菌(ETEC)は、海外旅行者の下痢症の原因になることが多い大腸菌です。特に東南アジアやアフリカなどの発展途上国において、生水などから感染することが多いです。

 

この大腸菌が産生するエンテロトキシンという毒素が腸管内の細胞に作用して、重篤な下痢症を引き起こすことが知られています。重症化した場合は、水溶性の下痢が白濁化し、米のとぎ汁のようになります。嘔吐を伴うこともあるため、脱水症状に注意が必要です。

 

腸管出血性大腸菌(EHEC)は、病原性大腸菌の中で最も有名な食中毒原因菌で、O-157やO-111などが該当します。腸管内の細胞に接着し、ベロ毒素という毒性の強い毒物を産生して、腸管が水分を吸収できないようにしたり、毛細血管を破壊したりします。

 

激しい腹痛を伴った下痢が数日続いた後、真っ赤な血便を生じることが特徴的で、ほとんど血液と言えるような便が出ることもあります。重症化すると死に至るケースもあるため、注意が必要です。

 

またこの大腸菌は感染力が強く、わずか50個程度の細菌が体内に入るだけで発症すると言われています。そのため、人から人への二次感染についても注意する必要があります。

 

これら以外の病原性大腸菌の特徴を簡単に記載します。

 

腸管病原性大腸菌(EPEC)は腸管内の表面にある細胞に接着する特徴があり、小腸内で栄養吸収に重要な絨毛という組織を壊す作用があります。

 

腸管侵入性大腸菌(EIEC)は、その名の通り、粘膜の中まで入ってくる大腸菌です。大腸や直腸に炎症を起こし、血液、粘液、膿の混じった下痢を起こします。

 

腸管凝集性大腸菌(EAEC)は、菌同士が凝集して細胞に接着する特徴があります。下痢、嘔吐など、一般的な食中毒症状を引き起こします。

 

このように、病原性大腸菌といってもさまざまな種類があります。この中で最も危険性が高いのが腸管出血性大腸菌ですので、この細菌に感染しないような予防策を講じる必要があります。

 

ビフィズス菌による腸管出血性大腸菌O-157感染リスクの低減

病原性大腸菌による感染を防ぐためには、一般的な食中毒予防法が有効です。つまり、食品の十分な加熱や手洗いなどです。

 

しかし、外食が多い人の場合、本人がいくら注意していても外食先の不注意などにより感染してしまうリスクがあります。

 

そこで、そのような場合でも感染リスクを低減するために、ビフィズス菌の摂取が有効と考えられています。

 

これについては、2011年に科学界で最も権威ある科学雑誌「Nature」に論文が掲載されました。ビフィズス菌がO-157の感染リスクを低減させることが示されたのです。この論文を投稿したのは、日本における腸内細菌研究で著名な大野博司先生や福田真嗣先生です(当時の所属は理化学研究所)。

 

この論文では、「O-157に感染すると高確率で死ぬマウスに対して、事前にビフィズス菌を与えておくことにより、O-157感染死が抑制される」ということが示されました。ビフィズス菌が産生する酢酸が腸粘膜の抵抗力を増強することで、O-157による感染死を防いだのです。

 

これは私たちの生活にも応用することができます。普段から積極的にビフィズス菌を摂取しておけば、病原性大腸菌に感染するリスクを低減することができるのです。

 

ビフィズ菌は、O-157だけでなく、他の病原性細菌に対しても増殖抑制効果を示すことが知られています。したがって、普段から腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:腸内細菌全体のバランスのこと)に占めるビフィズス菌の割合が増えるような食生活を心がけることが、これらの病原性細菌の感染を防ぐために重要となります。これを認識した上で、積極的にビフィズス菌を摂取するよう心がけてみてください。

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