腸内細菌研究者がお届けする『腸』役立つ健康メソッド

腸内細菌と肥満:「痩せ型」の腸内フローラにするための食事

腸内細菌と肥満:「痩せ型」の腸内フローラにするための食事

私たちのお腹の中にはさまざまな腸内細菌が住み着いています。これらの腸内細菌全体のバランスのことを腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)あるいは腸内フローラといいます。

 

腸内フローラは私たちの健康にさまざまな影響を与えます。「肥満」や「痩せ」に関しても例外ではありません。腸内フローラが肥満や痩せなどの体型に影響していることが既に証明されているのです。

 

このことを証明したのは、肥満と腸内細菌の研究で有名なジェフリー・ゴードン先生(ワシントン大学教授)です。

 

そこで今回はゴードン先生の研究成果をもとに、肥満と腸内細菌の関係について述べていきます。また最後に腸内フローラの観点から、肥満を予防するための食事のポイントを紹介しています。体重が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

 

ジェフリー・ゴードン先生の過去の研究

ゴードン先生が「肥満と腸内細菌との関係」を最初に証明したのは2006年です。当時の研究成果は超一流科学雑誌「Nature」に掲載されました。

 

この研究成果を紹介する前に、腸内細菌の種類について簡単に説明しておきます。

 

私たちのお腹の中には約3万種類の腸内細菌が100兆個以上います(2015年以前は1000種類といわれていました)。この3万種類を大雑把に分類すると、バクテロイデス、ファーミキューテス、プロテオバクテリア、アクチノバクテリアの4つに分類することができます。

 

聞き慣れない言葉だと思いますが、ここではバクテロイデスとファーミキューテスだけ覚えておいてください。頭文字を取って、前者を「B細菌」、後者を「F細菌」と呼ぶことにします。

 

ゴードン先生は、太っている人やマウスでは「F細菌の数が多く、B細菌の数が少ない」ということを発見しました。そしてF細菌が多いと、エネルギー吸収効率が上がるために太りやすくなるということを突き止めました。

 

このように、ゴードン先生は腸内フローラが人やマウスの体型に関係していることを証明したのです。

 

なお、インターネット上やテレビなどでは「痩せ菌」や「でぶ菌」という言葉がよく使われています。痩せ菌はB細菌のことを、でぶ菌はF細菌のことを指しています。

 

そして2013年になると、ゴードン先生はさらに興味深い研究成果を発表しました。それについて紹介していきます。

 

腸内フローラが変化すると体型も変化する

2013年の研究成果は、やはり超一流科学雑誌「Science」に掲載されました。このときの研究成果の概要を以下に示します。

 

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この研究では、「一卵性双生児のうち、一方は肥満、もう一方は痩せ」という二人組の「便」を使用しました。便の中には当然、大量の腸内細菌が含まれています。

 

そして、肥満の人の便と痩せている人の便をそれぞれ無菌マウス(体のどこにも細菌がいないマウスのこと)に食べさせました。便を食べさせることで、腸内細菌が無菌マウスに移植されます。

 

※ マウスにはウサギなどと同じように「糞を食べる」習性があります。この習性を利用して腸内細菌を移植できます。

 

移植後、それぞれのマウスを約1か月間観察しました。すると、運動量や食べているエサの量はほとんど同じだったのに、一か月間のうちに体型に変化が生じました。

 

痩せた人の便を移植されたマウスは目立った変化はありませんでした。しかし、肥満の人の便を移植されたマウスでは脂肪がどんどん蓄積し、太ってしまったのです。

 

このように、「腸内フローラが変わると体型が変わる」ということが示されたのです。論文ではより詳細な解析について記載されていますが、ここでは割愛します。

 

この研究からわかるように、腸内フローラを整えることで肥満予防やダイエット効果に繋がることが期待できます。そこで最後に、「腸内フローラ」という観点から、肥満を予防するための食事のポイントを述べていきます。

 

「肥満型」の腸内フローラにならないための食事

上述の通り、バクテロイデス(B細菌、痩せ菌)が多いと痩せやすく、ファーミキューテス(F細菌、でぶ菌)が多いと太りやすくなります。

 

そのため、肥満を予防するためにはB細菌を増やしてF細菌を減らすような食事が重要です。そしてそのような食事のポイントは、食物繊維をたくさん摂取し、脂肪の摂りすぎに注意することです。

 

健康のためには当たり前のような食生活ですが、腸内フローラの観点からも、このような食事が肥満予防に繋がることが明らかになっているのです。

 

食物繊維を摂取することで、一部のB細菌が増えることが示されています。B細菌といってもさまざまな種類がいるため、すべてのB細菌が増えるわけではありませんが、やはり食物繊維は腸内フローラを整える上で重要です。

 

一方で、脂肪を多く含む食事を摂るとF細菌が増えます。特にラードやバターなどの常温で固形の油はF細菌を増やしてしまうので、これらの油はなるべく避けるようにしましょう。

 

ここまで述べてきたように、腸内フローラは肥満と密接な関係があります。そして、バクテロイデス(B細菌、痩せ菌)を増やし、ファーミキューテス(F細菌、でぶ菌)を減らすことで、肥満予防やダイエット効果が期待されます。

 

このような腸内フローラに近づけるためにも、体重が気になっている方は、普段の食事で食物繊維と脂肪の摂取量に注意する必要があります。

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