腸内細菌研究者がお届けする『腸』役立つ健康メソッド

禁煙に伴う体重増加は腸内細菌の変化が関係する

禁煙に伴う体重増加は腸内細菌の変化が関係する

「禁煙すると太る」という話を聞いたことがないでしょうか? 私自身は喫煙しませんが、知り合いの愛煙家も同じようなことを言っていました。

 

その理由としては、「禁煙によるイライラを解消するためについ食べてしまう」、「禁煙で口が寂しくなるためついお菓子に手が伸びる」、「ニコチンによる基礎代謝刺激がなくなる」などが挙げられています。

 

そして「禁煙によって腸内細菌バランスが変化し、体重が増加する」ということもわかってきました。このことは、2013年に医学雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。

 

体重増加を気にして、禁煙に踏み切れない女性も多いと聞きます。しかし、腸内細菌が関与していることを把握できれば、対策を立てることも可能です。ここでは、禁煙後の体重増加に腸内細菌がどう関与しているか紹介していきますので理解を深めましょう。

 

タバコをやめた後の体重増加

「PLOS ONE」に掲載された論文によると、禁煙者のうち約 80 % の人が、平均 7〜8kg 太るとされています。しかも、カロリー摂取量を禁煙前より減らしても太る人がいます。

 

このことから、禁煙後の体重増加には、食事以外の原因があると考えられています。

 

研究では、非喫煙者5名、喫煙者5名、禁煙を開始した者10名を対象としました。そして、9週間の調査期間における、カロリー摂取量、摂取した栄養素、体重、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:善玉菌や悪玉菌など腸内細菌全体のバランス)の変化などを解析しました。

 

調査の結果、禁煙を開始した10名は、禁煙後8週間で平均 2.2kg 体重が増加しました。しかも、禁煙前後で摂取カロリーや栄養素などにほとんど差がないことも確認されました。

 

このことから、体重増加の原因は食事以外にあると考えられました。そこで、禁煙前後で腸内細菌叢がどう変化したか解析しました。そして、以下に紹介するような大変興味深いことが判明しました。

 

禁煙に伴う腸内細菌バランスの変化

タバコをやめて4週間後、禁煙前と比較して明らかに腸内細菌叢が変化しました。

 

腸内細菌を構成する4つの門、つまり、バクテロイデス門、ファーミキューテス門、アクチノバクテリア門、プロテオバクテリア門のうち、ファーミキューテス門とアクチノバクテリア門の腸内細菌が急激に増加していたのです。

 

またそれとは逆に、バクテロイデス門とプロテオバクテリア門の割合は減少しました。

 

※「門」というのは細菌を分類する単位のひとつです。日本が47都道府県に分類されるのと同じように、腸内細菌は大きく4つの門に分類されます。

 

※多くのインターネットサイトでは、「バクテロイデス門とプロテオバクテリア門が増加する」と記載されていますが、これは誤った情報です。私は原著論文を読んで確認しています。

 

ファーミキューテス門の増加、バクテロイデス門の減少という特徴は、ワシントン大学ジェフリー・ゴードン先生が示した「太っている人にはファーミキューテス門の細菌が多く、やせている人にはバクテロイデス門の細菌が多い」という特徴と同じです。そのため、この腸内細菌バランスの変化が肥満の原因になったと考えることができます。

 

なお、肥満型の腸内細菌バランスでは、ファーミキューテス門細菌が全腸内細菌の半分以上を占めます。この細菌には「普通は消化されにくい多糖類を消化分解する種類の細菌が多い」という特徴があります。そのため、より多くのエネルギーが体内に吸収されることとなるのです。

 

このように、禁煙に伴って腸内細菌バランスが肥満型に変化するため、体重が増加している可能性があります。そのため、禁煙後の肥満を予防するためには、腸内細菌バランスを健全に保ち、肥満型に変化するのを防止することが重要です。

 

ただ、なぜ禁煙後に腸内細菌バランスが変化するかは解明されていません。そのため、根本的に解決するのは難しいです。

 

しかし、ビフィズス菌などの善玉菌や、オリゴ糖などの善玉菌の餌を積極的に摂取することで、腸内細菌バランスを健全に保つことは可能です。もし禁煙によってタバコをやめる場合は、肥満予防のためにも、腸内細菌バランスを整えることを心がけてみて下さい。

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