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腸内細菌とアトピーの関係:アトピー患者の腸内環境は悪化している

腸内細菌とアトピーの関係:アトピー患者の腸内環境は悪化している

腸内細菌とアトピーの関係:アトピー患者の腸内環境は悪化している

この記事のポイント

 

あまり知られていないことですが、腸内環境とアトピーには密接な関係があります。なぜなら、腸は体の中で最大の免疫器官だからです。

 

免疫とは、「体内に入ってきた異物(病原体など)を排除すること」です。小腸には食事を通して多くの異物が入ってくるため、小腸には多くの免疫細胞が集まっています。そして、この免疫が正常に働かないことで、花粉症やアトピーなどのアレルギーが発症するのです。

 

※ アレルギー:花粉、ダニ、ほこり、食べ物などを異物とみなして過剰な免疫反応が起こること

 

そこで今回は、腸内環境とアトピーとの関係について述べていきます。腸内環境を整えることがアトピーの症状緩和につながることを理解できると思います。

 

 

「アトピーの人」と「アトピーではない人」の腸内細菌

腸内環境がアトピーに関係することは2000年頃に明らかになりました。そして、その頃から「アトピーの人」と「アトピーではない人」の腸内フローラ(腸内細菌全体のバランスのこと)が比較されるようになりました。ここでは、その研究結果をいくつか紹介します。

 

Bjorksten先生(スウェーデン)の報告

リンシェーピング大学(スウェーデン)のBjorksten先生は、「アトピーの2歳児:27人」と「アトピーではない2歳児:36人」の腸内フローラを比較しました。(参考文献:Clin Exp Allergy

 

その結果、アトピーの子供では、乳酸菌やビフィズス菌(いずれも善玉菌)が少なく、黄色ブドウ球菌(悪玉菌)が多いことが判明しました。

 

アトピーの子供(2才児)の腸内環境

 

Kirjavainen先生(フィンランド)の報告

トゥルク大学(フィンランド)のKirjavainen先生は、「アトピーの乳児:27人」と「アトピーではない乳児:10人」の腸内フローラを比較しました。(参考文献:FEMS Immunol Med Microbiol

 

その結果、アトピーの赤ちゃんでは、ビフィズス菌(善玉菌)が少なく、バクテロイデスという日和見菌(ひよりみきん:善玉でも悪玉でもない腸内細菌)が多いことが判明しました。

 

アトピーの赤ちゃんの腸内環境

 

ここまでに紹介した海外の研究報告を見ると、「アトピーの人ではビフィズス菌が減っている」という共通点があります。善玉菌が減っているので、腸内環境は悪化していることになります。実は、これと同じ結果が日本のアトピー患者でも確認されているのです。

 

渡辺先生(帝京大学)の報告

帝京大学の渡辺先生は、「20歳未満のアトピー患者:30人」と「健常人:68人」の腸内フローラを比較しました。(参考文献:J Allergy Clin Immunol

 

その結果、アトピー患者ではビフィズス菌が少なく、黄色ブドウ球菌が多いことが判明しました。これは上述のBjorksten先生の研究結果とまったく同じです。

 

また、腸内細菌に占めるビフィズス菌の割合とアトピーの重症度に相関関係があることがわかりました。つまり、ビフィズス菌の割合が少ない人ほどアトピーが重症化しやすく、ビフィズス菌の割合が多い人ほどアトピーの症状は軽くなる傾向にあったのです。

 

ビフィズス菌の割合とアトピーの重症度

(参考文献「J Allergy Clin Immunol」の図を一部編集)

 

下条先生(千葉大学)の報告

千葉大学の下条先生は、「アトピーの2才児:10人」と「アトピーではない2才児:8人」の腸内フローラを比較しました。(参考文献:Asian Pac J Allergy Immunol

 

その結果、アトピーの2才児では、ビフィズス菌が少なく、バクテロイデスが多いことが判明しました。これは上述のKirjavainen先生の研究結果と同じです。

 

このように、日本においても海外とほぼ同じ研究成果が得られています。ここまでの内容を踏まえた上で、アトピーと腸内環境の関係について私の考えを述べていきます。

 

私の考え:腸内環境とアトピーには密接な関係がある

今回紹介してきた研究成果を見てみると、アトピ―の患者では、「乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が減っている「悪玉菌や日和見菌が増えている」という傾向にあることがわかります。つまり、腸内環境が悪化しているのです。

 

アトピーの人の腸内環境は悪化している

 

ただ、今回紹介した研究成果はほんの一例にすぎません。世の中には、「腸内細菌とアトピー」に関する学術論文が腐るほどあります。その中には、「アトピー患者でもビフィズス菌は減っていない」という論文もあります。(参考文献:J Allergy Clin Immunol

 

そのため、一概に「アトピーの患者では乳酸菌やビフィズス菌が減っている」と言い切ることはできません。ただ、これまで数え切れないほどの学術論文を読んできた私としては、「アトピーの患者では善玉菌が減っている」と結論づけている論文が多いと感じています。

 

また、今回は詳しく紹介しませんが、「善玉菌を摂取することでアトピーの症状が軽減した」という論文も数多く報告されています。そのため、「腸内細菌とアトピー」には極めて密接な関係があると考えて間違いありません。

 

まとめ

  • アトピー患者のお腹の中では乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が減っている。逆に、悪玉菌や日和見菌は増えている。つまり、腸内環境が悪化している。
  • 腸内環境を改善することがアトピーの症状軽減につながる。

 

今回は、腸内環境とアトピーの関係について述べてきました。腸内環境がアトピーに密接に関わっていることを理解できたと思います。

 

アトピーに悩む人は増えています。私の友人にも重い症状で悩んでいる人がいました。しかし、腸内環境の重要性を知れば対策も立てやすくなります。実際、アトピーの症状緩和を謳った乳酸菌サプリメントなども市販されています。

 

必ずしもサプリメントに頼る必要はありませんが、「腸内環境を改善することが重要」ということをしっかりと理解しておいてください。

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