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腸内細菌を正確に理解するための名前(学名)のルール

腸内細菌を正確に理解するための名前(学名)のルール

腸内細菌を正確に理解するための名前(学名)のルール

この記事のポイント

 

多くのインターネットサイトを拝見していると、腸内細菌の名前のルールを無視しているサイトが数多くあります。そのため、かえって混乱してしまう場合もあります。

 

例えば、「バクテロイデスはやせ菌です」というふうに書かれているインターネットサイトがたくさんあります。間違っているわけではないのですが、非常にモヤモヤした表現です。今回はこのモヤモヤの原因と、正確に理解するためのルールについて解説していきます。

 

正しい名前のルールを知っておけば、インターネットサイトや書籍などで腸内細菌の名前を見たとき、より理解を深めることができます。この機会にぜひそのルールを学んでおいてください。

 

 

腸内細菌の正式名称は「学名」である

腸内細菌の名前を正式に書く場合は、二つの英単語で表記します。例えば「大腸菌」であれば、「Esherichia coli」が正式名称になります。場合によってはうしろに”O-157”のような単語が続きます。

※ Escherichia の読み方は「エシェリキア」「エシェリヒア」など。coliの読み方は「コリー」「コーライ」など。

大腸菌の図と学名

 

このような書き方は腸内細菌に限らず、他の生物にも当てはまる国際的に認められた学術的な表現です。このような英単語二つで書かれた名前を「学名」といいます。そしてこの学名の書き方にはルールがあります。

 

このルールについて、「住所」を例に解説したいと思います。

 

腸内細菌の学名は住所と同じ

あなたが誰かに手紙を出す場面を考えてみてください。相手に確実に手紙を届けるためには「○○県○○市○○区○○町○○  ○○○○様」というふうに住所と宛名をしっかり書く必要があります。

 

このとき、まずは都道府県のような大まかな分類から始まり、最終的には町名や番地などの細かい情報で締めくくります。そして最後に宛名を書きます。

 

手紙の住所と宛名

 

腸内細菌の場合もこれとまったく同じです。ただ、腸内細菌の場合は「県」や「市」ではなく、「○○門 ○○綱(こう) ○○目(もく) ○○科 ○○属 ○○種」となります。「県」や「市」のような聞き慣れた言葉ではありませんが、大まかな分類から始まり、細かい情報で締めくくるという点では住所と同じです。

 

腸内細菌の分類は住所と同じ

 

手紙では住所のうしろに苗字と名前を書きます。腸内細菌の場合は、「○○属」の部分が苗字で、 「○○種」の部分が名前と考えてください。そして、この部分が腸内細菌の学名になります

 

上述のとおり、大腸菌の学名は「Escherichia coli」です。Escherichia”属”(=苗字)のcoli”種”(=名前)だから、このような学名が付けられているのです。

 

このように、学名には「属」と「種」を並べて記載するというルールがあります

 

このルールを知っておけば、学名からいろいろと推測することができます。例えば、ミヤリサン錠(有名な整腸剤)に含まれている宮入菌と食中毒の原因菌であるウェルシュ菌の学名を確認してみましょう。

 

  • 宮入菌の学名:クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)
  • ウェルシュ菌の学名:クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)

 

この二つはいずれも「クロストリジウム」という同じ苗字を持っていることになります。つまり、善玉菌と食中毒原因菌という違いがあるものの、分類上は親戚同士であることがわかります。

 

クロストリジウム・ブチリカムとクロストリジウム・パーフリンジェンス

 

以上が学名のルールになります。これを理解しておくだけでも、腸内細菌の理解がぐっと深まるはずです。

 

腸内細菌の学名で混乱してしまう理由

このように、腸内細菌の学名のルールは手紙の住所や宛名と同じです。しかし、一つだけ注意点があります。それは、「上記の○○の部分に同じ単語が入ることがある」ということです。

 

例えば、千葉県には千葉市があります。実際、千葉県千葉市◯◯区△△町という住所が存在します。県と市で同じ「千葉」という単語が使われているため、単に「千葉」といった場合、千葉「県」なのか千葉「市」なのかはっきりしない状態になってしまいます。

 

これと同じことが腸内細菌でも起こるのです。例えば、フラジリス菌という腸内細菌がいます。この細菌の学名はバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)です。しかし、その正式な分類は以下のようになります。

 

『バクテロイデス門 バクテロイデス綱 バクテロイデス目 バクテロイデス科 バクテロイデス属 フラジリス種』

 

なんと最後のほうまで「バクテロイデス」という単語が続いてしまうのです! これは手紙の例でいうと、「千葉県 千葉市 千葉区 千葉町 千葉太郎様」と書かれているのと同じです。

 

学名で混乱する理由:同じ単語が続く

 

このとき、「千葉は魅力的だ」と言われると、千葉県のことなのか千葉さんのことなのかわからなくなってしまいます。これを正確に表現するためには、千葉「県」、千葉「市」、千葉「さん」のように、語尾に適切な言葉を書かなくてはなりません。

 

私が「バクテロイデスはやせ菌です」という表現にモヤモヤする原因はここにあります。「バクテロイデス」と言っても、さまざまな分類の種類があります。そのため、門、綱、目、科、属などの言葉をうしろに付け加えて、どのバクテロイデスなのか指定しないと混乱してしまうのです。

 

ちなみに、「バクテロイデスはやせ菌です」を正確に表現するなら、バクテロイデスのうしろに「門」をつけて、「バクテロイデス門の細菌はやせ菌が多い」となります。ただ、ほとんどのインターネットサイトでは、「門」という語が省略されてしまっています。

 

まとめ

  • 腸内細菌の正式名称のことを「学名」という。
  • 苗字に該当する部分のことを「属」、名前に該当する部分のことを「種」と言う。そして、「属」と「種」を並べたものが学名である。
  • 腸内細菌のことを正確に表現するためには、住所における「県・市・区・町」のように、「門・綱・目・科・属・種」などの分類上の言葉を使わなければならない。

 

今回は、腸内細菌の学名のルールについて解説してきました。多くのインターネットサイトでは、このルールを無視してあいまいな表現で記載されていることが多いです。これに惑わされてしまうと腸内細菌のことを正しく理解できなくなってしまいます。そうならないためにも、今回の内容をしっかりと把握しておきましょう。

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